線画のような錺のアクセサリー
【LINES】
幅広い年齢層への訴求と、次世代に向けた技術の修練。この2つを踏まえた、錺(かざり)金具の伝統技術を活かしたアクセサリー「GEN/EI(現影)」3部作の1つ。
水面の輝き。黄昏の空。大輪の花火。美しさの瞬間は、移りゆく時の間に突如として現れる。装身具もまた、ふと目にした瞬間にキラリと美を感じられるとの考えから、宝石の物質感から形相の要素となる必要最低限の線(Line)を残した「線画」のように辺を構築。一部分が欠けた構造は物質的には不完全なようでいて、ある角度から見た時にだけ「立体的な線画」としての全貌を現す。
1枚の板から微細な辺を切り出し、正確な角度で溶接する繊細な組上げ技術により軽やかな佇まいを取り入れ、軽量化と透明感を実現させた。また不完全な姿は、未完の美学として験を担ぐ。
GEN/EI [現影]
仏具をはじめ、神社仏閣の金物装飾を担う錺師の伝統技術は、多様な彫金技法はもとより、素材の選定、型の拵えから溶接、仕上げまで幅広く、これらの要素を自在に構成し、時代に合った装飾美と用途に適した実用性を兼ね備えた錺金具を製作します。
金属に鏨(たがね)を打って文様を刻む錺金具。無機質な金属板の平面上には、その一刻一刻により相対的な起伏を伴って、有機的な影が現れます。美を宿すその影を丁寧に紡ぎ、装身具として形相化させるGEN/EI[現影]は、穏やかな日々における出来事や感情の小さな波にも有機的に調和するように寄り添いながら、身に着ける錺金具としてその格式と自律した美しさを表出します。
Kazari-kanagu metal fittings are made by using chisels to carve patterns into metal plates.
This process grants the bland and flat metal plate relative depth, which creates organic shadows. The beauty of these shadows is carefully incorporated into the [GEN-EI] accessories, which expresses the refined and free-spirited nature of beautiful Kazari-kanagu jewelry.